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経皮的椎間板摘出術(頚椎・腰椎DART/DISC-FX)

経皮的椎間板摘出術
(DART/DISC-FX)とは

経皮的椎間板摘出術(DART/DISC-FX)とは 経皮的な椎間板ヘルニアを治療する方法の1つとして、以前から、レーザー椎間板減圧術(PLDD法)が使用されてきました。これに対して、経皮的椎間板摘出術では、PLDD法で対応できない中等度までのヘルニアも治療の対象になります。DART/DISC-FXが特に有効なのは椎間板性の頚部痛で、治療のために皮膚を切る必要がありません。小鉗子で少量の髄核を機械的に摘出し、ラジオ波で蒸散させて線維輪損傷部を凝縮して、ヘルニアの進行を阻止します。軽度から中等度のヘルニアに効果があり、エリクエンス社のサージマックスという機器を使用して日帰りで手術を実施します。

椎間板ヘルニアとは

背骨では、隣り合う椎体間に「椎間板」と呼ばれる軟骨が介在しています。椎間板は、髄核と線維輪という2つの組織で構成され、コラーゲンを豊富に含む線維輪がゼリー状の髄核を囲んでいます。一方、身体の一部が本来の場所から飛び出した状態を「ヘルニア」と言い、脱腸や「でべそ」もヘルニアの一種です。その上で、椎間板ヘルニアとは、線維輪に亀裂が入って中心部にある髄核が脱出し、脊髄神経が圧迫されることで痺れや痛みなどの症状が出現した状態です。椎間板ヘルニアの患者数は男性が女性のほぼ2倍で、年齢別では20代から40代で発症頻度が高く推移しています。椎間板ヘルニアは、突出型と脱出型の2つに大別され、本法が一層効果的に作用するのは突出型のヘルニアです。

椎間板ヘルニアの原因

椎間板ヘルニアの主な原因は、加齢または日常生活の負担による椎間板の老化や遺伝的要因です。椎間板の髄核は水分で満たされているため、日常生活での負担や加齢が原因で髄核が線維輪の亀裂を介して脱出すると、椎間板が潰れます。激しいスポーツを行ったり、重量のある物を持ち上げたりする動作が、椎間板に負荷がかかる要因です。また、喫煙もヘルニアの一因だとされています。椎間板が潰れるとMRI画像で黒く表示されるため、潰れていることが確認できます。

椎間板ヘルニアの症状

腰にヘルニアが生じると、腰椎椎間板ヘルニアと呼ばれます。主な症状は、足や臀部の痺れ、痛み、力の入りにくさです。このような症状は坐骨神経痛と呼ばれ、慢性型と急性型があります。このうち急性型は、くしゃみをしたはずみや重量物を持ち上げたときなどに発生します。一方、首-肩-腕-手にかけて痛みや痺れが生じるのが、頚椎椎間板ヘルニアです。急性型であっても症状は1週間から1ヶ月程度で徐々に軽減されますが、急性型のヘルニアを繰り返すと椎間板が損傷して髄核が脱出し、神経が圧迫される場合があります。その結果、弱い痛みから激痛まで、様々な痛みが慢性的に生じるようになり、ときには睡眠の妨げになるほど強い痛みが出るほどです。また、稀に、排便障害、排尿障害、麻痺の症状が見られます。いずれも、椎間板ヘルニア以外に脊柱管狭窄症でも生じる症状であるため、どちらに該当するのか確実な診断が困難な場合もあります。

経皮的椎間板摘出術
(DART/DISC-FX)の適応

椎間板ヘルニアでは、早期の疼痛緩和と復職を患者様が強く希望するか、あるいは中等度の神経脱落症状が認められる症例、重篤ではないものの保存的治療では十分な効果が認められずに神経緊張徴候(重だるさ、痺れ)や疼痛が長期にわたって続いている症例、長期的な障害が残る可能性がある症例において、多くの場合に手術を検討します。
症状が持続する期間が6ヶ月以上になると、手術をしても症状が残りやすいため、理想的には6ヶ月を経過する前に手術を選択します。

経皮的椎間板摘出術
(DART/DISC-FX)の
治療の流れ

  1. 椎間板を穿刺し、局所麻酔をかけます。腰椎では後方、頚椎では前方から椎間板で神経が圧迫されている部位に進入します。
  2. 椎間板に直径約2mmのニードルを留置します。
  3. 髄核の一部をグラスパー鉗子で摘出します。
  4. 留置したニードルに器具を挿入し、6方向(DISC-FX)または3方向(DART)に6秒ずつラジオ波で熱焼灼(アブレーション)します。
    焼灼部位が神経に近接していると、広がるような痛みが発生します。そのような痛みが生じた場合は、医師に伝えてください。
  5. DISC-FXでは先端が可動で腰椎背側のヘルニアの治療にも使用できるのに対し、DARTでは先端の可動性はありません。
    代わりに、DISC-FXより細かい操作が可能です。
  6. 3方向または6方向で5秒ずつ、繊維輪を熱で凝固させます(コアグレーション)。

合併症

比較的侵襲が少ない治療法ですが、以下に示すような合併症が生じる可能性も排除しきれません。十分な治療効果が出るまで、おおよそ4~8週間前後の日数が必要です。

  • 術後における穿刺部の疼痛
  • 頚部痛や腰痛の一時的な増悪
  • 神経損傷
  • 出血(術後に血腫ができて神経がさらに圧迫される)
  • 感染症

万が一、施術によって合併症が生じた場合、短期の入院が必要になる場合もあります。

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